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 フランスの三大郷土料理って、ご存知ですか?フランス北東部アルザス地方の「シュークルート」、フランス南東部の港湾都市マルセイユの「ブイヤベース」、もう一つは、フランス南西部の「カスレ」です。

 フランス南西部はピレネー山脈をはさんでスペインと国境を接し、西は波の荒い大西洋、東は穏やかな地中海に面しています。

 カスレは、このフランス南西部、ラングドック地方やピレネー地方の名物料理で、豚肉、羊肉、ガチョウ肉、アヒル肉、ソーセージなどの肉類と白インゲン豆を、料理名の由来になったカソール(cassole)と呼ばれる土鍋に入れ、長時間煮込んで作るシチュー、あるいはキャセロール料理です。

 比較的広い地域の郷土料理なので、家庭や地方により様々なバリエーションがあります。中でも有名なのは、カステルノダリー・カルカッソンヌ・トゥールーズのもので、フランスの三大カスレと言われています。

 カステルノダリーでは塩漬けの豚肉やハムが入り、カルカッソンヌでは羊肉や山ウズラが、フォアグラの名産地トゥールーズではガチョウのコンフィが加わるなどします。この三つの地方の住民は、どこも自分のところが本家と主張して譲らないので、議論が絶えないと言います。

 私は料理教室で色々な国の料理を教えていますが、フランス料理に関しては、どのような料理を教えるべきか悩んだ時期があります。日本人がイメージする「フランス料理」は特別な時に食べる料理で、高級な食材を使って手間暇をかけ、美しく盛り付けられた料理がうやうやしくサービスされる・・というものでしょう。

 このスタイルはフランス革命のあと、王宮や貴族の館で雇われていた料理人や給仕係が職を失い、街に出てレストランを開き、これまで培っていたスタイルを一般庶民に向けて行なったことから始まります。

 でも、フランス人がみんなこのような食事をしているわけではなく、フランスの家庭料理はもっと素朴なもの。ヨーロッパ随一の農業国であるフランスの人々が食べているのは、その土地で獲れる産物を鍋に入れ、オーブン、または暖炉でコトコト煮込んだ料理が圧倒的に多いのです。

 レストランで提供されるような料理を作るには材料費も時間もかかりすぎるし、何より主婦の技術ではできないことが多いですよね。でも、フランスのお母さんが作る料理なら、日本の家庭にも取り入れられます。それで、ある時期からフランスの家庭料理や郷土料理の文献を読み始め、料理教室のメニューにも取り入れるようにしました。

 アルザス・シュークルートやブイヤベースは早い時期から作っていましたが、カスレに関しては地方ごとのレシピが多すぎて、なかなか絞り切れませんでした。でも、日本で入手できる材料で、日本の家庭でできるレシピをやっと作ることができて、この夏から教室のメニューに入れています。

 教える限りは、本物の味も知っておかなくちゃ、と思いました。フランス南西部に行ってカスレを食べ歩くのが一番ですが、それには時間とお金がかかるので、日本で本場のカスレを食べる方法を探しました。そして、その方法があったんです。

 東京・代官山のヒルサイドテラスにある、フレンチレストラン「パッション」。クラシカルなダイニングが魅力の高級レストランです。この店のオーナーシェフ アンドレ・パッション氏はフランス南西部の出身で、日本での「カスレ」の普及に努めている方。この店では、正統派のカスレが提供されているのでした。

 早速予約を入れ、上京した際に代官山のお店に行ってきました。午後6時30分、友人とエントランスに入ると、ちょっと太めで愛嬌のあるパッション氏とスタッフ、それにたっぷりと盛られた生花のアレンジメントが迎えてくれました。これだけでも特別感がありますね。

 素朴な家庭料理のカスレを食べに来たわけですが、ここは東京の老舗フレンチ。天井には豪華なシャンデリア、食卓には磨き抜かれたカトラリー、メインダイニングには大きな暖炉がありました。この暖炉で料理を仕上げることもあるそうです。

 高級感の漂う店内に圧倒されましたが、暖炉で料理を仕上げるところなど、フランスの家庭料理をうまく演出していますね。特注の暖炉と、その脇のディスプレイを兼ねた薪置き場に、シェフの並々ならぬこだわりを感じました。

 連休の後の平日ということもあり、私たちの他に予約客はなし。カスレを含むコース料理とワインを注文した後、メートル・ド・テル(給仕長)に、「シェフのカスレを楽しみにしてきたんです。ご迷惑でなければ、カスレだけは写真を撮らせていただけませんか?」と頼んでみました。

 すると、「今日は他にお客様もいらっしゃらないので、カスレだけでなく、他の料理や室内を撮影していただいても構いませんよ」と言って下さいました。超ラッキー!!お言葉に甘えて、もうあちこち写真撮りまくりです。高級レストランに似合わぬ客で申し訳ない。

 料理はアミューズから始まり、オードブル、スープと、フランス料理らしく手をかけた美しい料理が続きました。私のメインディッシュは待望のカスレ。カソール(土鍋)の中でグツグツと音を立てています。が、とても見た目が地味。それをメートル・ド・テルが、お皿に移してサービスしてくれました。

 白インゲン豆と鴨のコンフィ、それにソーセージ。「これはトゥールーズ風ですか?」と聞いたら、「ベースはそうですが、これはパッションのオリジナルと言った方が良いかもしれません」という答えでした。白インゲンも、鴨のコンフィも、ソーセージも充分に下ごしらえをしたもので、素朴な見た目ながらシェフらしい工夫が施されているようでした。

 カスレはフランスとイギリスの百年戦争の際、フランス南西部の農民たちが備蓄していた食料のありったけを使い、疲弊した兵士たちにふるまった料理が元と言われています。

 今では一年中食べられるカスレですが、かつては冬の保存食として家庭で鳥獣肉の塩漬けやコンフィを作り、それと乾燥豆の白インゲンを戻して煮込んでいたので、寒い時期ならではの料理だったそうです。

 今回気が付いたのは、正統派のカスレは自分が作るものよりかなりオイリーな料理だということ。私は白インゲン豆の水煮缶とトマトの水煮缶、ブロックベーコン、ソーセージなどを合わせて鍋で煮込みます。これだとベーコンの脂は溶け出すものの、それほどオイリーな仕上がりにはなりません。

 本場のカスレは白インゲン豆と肉類に豚の背脂やグースファットと呼ばれるガチョウの脂など足し、カソール(土鍋)に入れてオーブンで仕上げます。オーブンから出した後もカソールは熱く、また、油脂が多いのでなかなか冷めません。

 実は、パッション氏のカスレも私が食べ終わったあと、キャセロールに残ったものを味見として友人にもにサーブしてもらったんですが、それでも相当熱くて火傷しそうだったと言ってました。やはりこの料理は、冬にこそ食べるものだと思います。

 直径18㎝程度のカソールに入ったカスレ。これが一人前だそうですが、私は半分程度食べたらもうお腹がいっぱいになりました。さすが農家の郷土料理ですね。とてもボリュームがあります。本場の味を知ることができたのは良かったのですが、日本人の胃袋には重いので、やっぱり、私はオイル少なめのレシピでいきたいと思います。

 ともあれ、代官山のレストランでのカスレ探訪は、とても貴重で楽しい体験でした。写真撮影に快く応じて下さったレストランの方々、また、いつも私のコアな要望に付き合ってくれる東京のKさん。皆様に心より御礼申し上げます。
サイトのご案内

 2014年1月9日、NHK名古屋放送局のラジオ番組「夕刊ゴジらじ」に出演し、お餅のアレンジメニューについてお話ししました。スタジオには3品のお餅料理を持参し、試食をしてもらいながらの放送でした。その様子と当日のレシピは、下記のサイトでご覧いただけます。

  http://www.nhk.or.jp/nagoya/gojiradi/archives/2014/0109/index.html

  http://www.nhk.or.jp/nagoya-ana-blog/150/177293.html#more

 2013年2月22日放送のNHK「金とく」のスタジオ収録において、酒肴と器のコーディネートをしました(番組HPに掲載されている取材先での盛り付けは違いますが・・)。企画の流れでゲストの皆さまに愛知県の郷土料理「煮味噌」も食べていただきました。煮味噌のレシピは下記のホームページで確認していただけます。「金とく」は東海北陸エリアの食と文化の情報番組で、中部7県での放映となります。

   NHK名古屋放送局製作番組「金とく」 
  http://www.nhk.or.jp/nagoya/kintoku/archives/2013/20130222/index.html


 私のレシピを掲載している料理検索サイトです。トップページからの場合、「先生を選ぶ」→「高見ゆみ子」をクリックしてお進み下さい。


   ナスラックキッチン http://www.nasluck-kitchen.jp/
foodies


 今年度からこのページは、foodies(フーディーズ)の方々のブログに直接リンクします。それぞれのペースで更新も行われますので、時々チェックしてみて下さい。

「小柳才治の近況報告」
 
小柳才治先生の、ドイツ・ワイン・音楽をテーマにしたブログです。全国各地でワイン教室を開催され、年に数回はドイツのワイナリーを巡るなど、精力的な活動をされている小柳先生。スケールの大きな活動を回間見ることのできる、楽しいブログです。

「ドイツ マイスター修行」
 名古屋市中村区のハム・ソーセージ店「AKITA HAM」は、ドイツ認定食肉加工マイスターのお店。オーナー兼職人の秋田建博さんが、商品のこだわりや近況を綴ったブログです。


「おうち de CAFE」
 2010年に、このHPで「あっきーママのわくわく親子ごはん」を連載してくれていたあっきーさんが、フードコーディネーターENYAとして活動を始めました。知立カルチャーセンターでは、2012年4月から「子育てママのナチュラルごはん」という料理教室を始めています。子育てのこと、料理のこと、彼女の日常の生活を綴ったブログです。

aichi foods

 愛知県の郷土料理のご紹介です。2001年4月~2002年3月まで、愛知県のタウン情報誌に掲載していた原稿のリメイク版。1年間の取材により、季節ごとに12の味を紹介しています。
2010年11月の「食育の担い手養成講座」で考案された愛知の地産料理のページも追加しました。

lecture / gruop

 講座(lecture)は「須田先生の茶懐石講座」、知立カルチャーセンターの「懐石講座」、長久手あぐりん村での「世界の料理講座」、また自主グループ(gruop)として「世界の料理教室」「焼きたて倶楽部のパン教室」があります。こちらのページから各講座の詳細ページへリンクしています。新規参加者募集中の講座もあります。

shop guide

 三重県度会郡玉城町のスローフードレストラン「旬菜 野の花亭」、三重県鈴鹿市の「かふぇ工房 茶蔵(さくら)」など、高見が店舗プロデュースやメニュー提案を手がけたお店へはこちらからリンクしています。リンク集としては、壁紙を頂戴している素材サイトや相互リンクをしている生活情報サイトを掲載しました。

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